今回は本「売れないものを売るズラしの手法」(殿村美樹著/青春出版社 2012)の紹介です。
この本は上手くいかなくなってしまった商品やサービスを、どうやったらもう一度売ることができるか? をテーマに書かれている本です。
本のコア価値
いくつかの手法が書かれていますが、コアになっているのは「ターゲットを変えること」です。
困ったら、商品やサービスを届ける対象を変えてしまいましょう!という提案がなされています。
というのは、その商品やサービスが必要な人というのは、不変ではなく、常に変化しているためです。
昔はたくさんの人が欲しがった商品も、時代が変われば不要品とされてしまう……ということが私たちの世界ではしょっちゅう起こりますよね。
それを見極め、大胆にターゲットを変えてしまい、今必要としている人に届くように仕切りなおすことが大切なんだよということがこの本では書かれています。
具体的な方法
詳細なエピソードや事例はぜひ本を読んでいただきたいのですが、大きなズラしカテゴリーとして3つがこの本ではあげられています。
それが
- 人
- 場所
- 時
です。
「人」はそのままターゲットを直接変えてしまうというやり方ですね。
「場所」は売る場所やサービスを提供する場所を変えることで、結果的にターゲットを変えることを目指しています。
「時」は売るべき時やタイミングを変えることで、新しいターゲットをつかみにいこうとするやり方です。
本では紹介されていない例として私が思いつくのは、ポケベルですね。
ポケベルは私が生まれる前から幼少期ぐらいまで流行っていたやつですね。
私が物心ついたときにはもう廃れはじめ、携帯電話が登場してきており、実際に見たことはありません。
PHSや携帯電話の普及で日常からはお役御免になったポケベルですが、その後も医療機関などではよく使われていたそうです。
電波が弱くて、医療機器に影響を及ぼさないし、細かい内容のやり取りができなくても、何かを知らせることができればよかったのでポケベルのほうが使われていたのだとか。
その後、PHSの普及や改良で電波の問題がクリアされるようになったことで今はスマホなどに変わってきているみたいですが、身近なところから姿を消しても、かなり長く命を保つことができたことは間違いありません。
ポケベルは外にいてもコミュニケーションが取れるという今では当たり前のライフスタイルのはしりであり、その役目をほかのものに譲っても、医療機関などの限られた場所に活躍の場を移すことで「価値あるもの」であり続けることができました。
このように世の中的には「オワコン」になってしまっても、持っている能力を必要とする場所も必ずあるのです。そこに思い切って照準を合わせる勇気を持てるのかが、とっても重要なんだと思います。
ちなみに、フードコートに行って料理ができたら知らせてくれる「ブーブー鳴るやつ」もポケベルと同じ技術を使っています。技術という面では、ポケベルはまだまだ現役なのです。
まとめ
いろいろな事例が書いてあって、分かりやすいので、一度読んでみると良いのではないでしょうか!2012年の本なので事例が古めですが、「あ~確かに話題になってたわ!」と思えるものもあり、これはそういう仕掛けがあったんだと確認することができます。
おすすめです~。
●売れないものを売る ズラしの手法(Amazon)